第7回2008冬調査@アニメ調査室(仮)

 アニメ調査室(仮)さんからお誘いコメントを頂いていた終了番組評価ですが、ようやくまとまりました。私の最後まで見た評価対象作品は15+3/20+6です。今回からTBS系の前後・特別編も評価対象になったんですね。今期は最終回が強引(投げっぱなしとか)な作品もありましたが、個人的には”A”を付けた『電脳コイル』、『ef - a tale of memories.』、『スケッチブック 〜full color’s〜』が面白かったです。総評・寸評は書き直す元気がなかったので最終回の感想から転載です(そのため、ちょっと長い)。
 ところで、『まめうしくん』は13話終了でなく現在も放送中じゃなかったっけ?
アニメ調査室(仮)

2008冬調査(2007/10-12月期、終了アニメ、20+6作品)


01,もやしもん,B
02,電脳コイル,A
03,げんしけん2,C
04,バッカーノ!,E
05,まめうしくん,F
06,こどものじかん,C
07,スカイガールズ,C
08,プリズム・アーク,E
09,流星のロックマン,x
10,みなみけ(童夢版),B
11,Myself ; Yourself,C
12,ご愁傷さま二ノ宮くん,E
13,一期一会 恋バナ友バナ,z
14,D.C.II -ダ・カーポII-,E
15,BLUE DROP -天使達の戯曲-,B
16,ef - a tale of memories.,A
17,レ・ミゼラブル 少女コゼット,C
18,スケッチブック -full color's-,A
19,ナイトウィザード The ANIMATION,z
20,MOONLIGHT MILE 2ndシーズン -Touch down-,z
21,GR -GIANT ROBO-(地上波初放送),z
22,シュガーバニーズ(9月終了),x
23,最終試験くじら(NET配信),F
24,ひだまりスケッチ 特別編,A
25,ああっ女神さまっ 闘う翼,D
26,ひぐらしのなく頃に解(全話放送),B
27,ひぐらしのなく頃に解(打ち切り地域),x


{総評、寸評など}(自由記入、引用する場合あり)
01,もやしもん,B
 農大ライフ。菌が見える特殊能力があるので、『ハチクロ』の美大や『のだめ』の音大よりは現実離れしている。登場する醗酵食品の多くが全然美味しそうに見えないのは問題あるが、菌劇場なども薀蓄豊富なので微生物学に触れたことの無い人には(腐ってるけど)新鮮な内容だと思う。入学からあまり話が進んでないような気がするが結構面白かったです。蛍がゴスロリしてた理由は不明だし、イマイチ終わりっぽくないラストは愛嬌かな。
02,電脳コイル,A
 ネットの噂によると、電脳空間やツールのある世界で巻き起こる小学生の日常と事件の物語。アクションシーンも見所だが、夏祭りなどの情緒あるエピソードや登場キャラ同士の思いなども丁寧に描かれている作品。最初は何考えてるのか分からない冷たいイサコも段々背景が見えてきて見せる表情が増えるし、登場すると場が和むダイチなどキャラも魅力的。電脳ペットなど、人以外のキャラもギミック豊富&表情豊かで楽しい。子供の世界もキツイ会話がなされたり、結構シビアですが、あんまり探偵は関係なかったですね。後半、過去の事件や命に関わる問題が絡みだすと妙に重い部分も多く、入院や見舞いなど病院の登場頻度も高い。マユミの話があっさり終わったり、ラストはちょっと急ぎ足でしたが、謎も含めて上手く纏めたと思います。
03,げんしけん2,C
 荻上入会エピソードを3話ぐらいすっ飛ばした状態で開始する不親切極まりない続編。妄想したりイベント参加するオタクライフは良いのですが、就職活動メインな後半は正直楽しくない。アメリカの友人来襲のあたりで少し盛り返したけど、オタクで学生の”学生”部分ウェイトが重めで鬱憤が溜まった。大野・春日部・荻上の絡みは悪くないのだが、斑目ら上級生卒業後では笹原が引っ張っていくキャラじゃないので絵的にも話的にも弱かったかな。
04,バッカーノ!,E
 原作未読者には意味不明。登場キャラが微妙にオーバーラップしている別年の三事件+αを並行展開するのは新しいけど無謀。時系列シャッフルと主人公&場面転換連発の欠点を露呈した作品。キャラも多すぎで再度登場したときには誰だか覚えていないし、不死人もバーゲンセールだ。白黒服組織やジャグジーチームの掘り下げも浅い。新聞社は結局何だったんだ? 雰囲気と列車でのアクションとかは良く出来ていたと思います。
06,こどものじかん,C
 ネット配信視聴。平凡な新任小学校教師の大介を振り回す マセた女児:りんの家庭環境が複雑だったりと、扱うテーマは結構ハード。死別したりんの母話は泣けたし、レイジの存在も良いアクセントになってました。恋愛感情や性的な挑発とか、小学生相手に意識しすぎだと思うが、いつまで経っても危機感の無い大介も最終的には一歩成長したのだろう。意欲作だったけど、ピヨピヨ、ガアガア音声修正と、”のの字”映像修正で見辛いため大幅減点。
07,スカイガールズ,C
 空中戦するキャラとメカは悪くないのだが、前半は訓練ばっかだしワーム戦も戦略が見えないのでイマイチ。最終戦もあっさりだが、ビックバイパーが弱いのはコナミ的にOKだったのかしら。ワームやアイーシャの説明を周王博士が全部台詞でしちゃったりする脚本もダメだが、集合写真と「帰ってきたら〜」の死亡フラグを覆したのは特筆モノ。風呂は多めで、無理に恋愛路線展開しなかったのも正解だろう。何か企んでそうな緋月は何もなかったなー。格納庫の幽霊も何だったんだ?
08,プリズム・アーク,E
 シリアス設定とへっぽこ展開がアンバランスな剣と魔法で王女と騎士モノ。サービスシーンも頑張ってるし必殺技エフェクトは中々派手だが、戦時中なのに騎士養成学校が舞台(手遅れじゃん)で、学園祭とかテストとかお気楽。怒ってばかりのプリーシアと謝ってばかりのハヤウェイはイマイチだが、おにぎり神楽、へちょフェル、ブリジットなどサブキャラは結構楽しかったです。結局、王妃や王女はどうなってるのか不明だし、投げっぱなしラストにはやる気が感じられない。輝け、心のプリズム。
10,みなみけ(童夢版),B
 「過度な期待をしないで下さい」の前置きも特徴的な南家三姉妹の日常。雰囲気としては『苺ましまろ』に比較的近いが、通常はつっこみの千秋がボケ路線のこともあって自由だ。学校パートでは、それぞれのクラスメート絡みもあるが、やはり家での姉妹+αの方が面白い。番長設定が急浮上したことで春香ネタも結構広がったように思う。タケルおじさんや保坂の話はイマイチだったかな。「先生と二宮君」は内容がカオスすぎて気になりました。バカヤロー。
11,Myself ; Yourself,C
 帰ってきた故郷にて、変わらないものを求める 心に傷を持つ幼馴染たちの物語。空気の読めない佐菜は見ていてイラつくし、菜々香は情緒不安定なのか性格が話によってずいぶん違う(時には背景化)のが気になった。殺人未遂&傷害罪の梶井さん、不倫の若月義母など違う方向に気合が入っているし、その後の双子フォーローもないのでハートフルとは程遠く心地良く見れるタイプの作品ではなかったが、麻緒衣ちゃんの暴走っぷりはメチャメチャ可愛かったです。
12,ご愁傷さま二ノ宮くん,E
 アニメスピリッツに当たりなし。お色気としてはボチボチだったんだろうけど、サキュバス設定もイマイチ活かしきれてない感じのシリアス話がつまらない。本編より、アバンのミニ劇場の方が面白いってのは問題だよ。追い回されて拉致という繰り返しネタが寒い。麗華さんは結構好きだが、あんまり強くなくて煮え切らない峻護とトロい真由が全然魅力的でなかった。修学旅行と奥城家の陰謀と過去話と麗華の別人格を一度にやった終盤はぐだぐだ。
14,D.C.II -ダ・カーポII-,E
 前作から53年後という未来設定が全く活かされず科学は現代レベル。枯れない桜や魔法は重要な要素ではない。初回に小恋とのカップル成立というのがこの手の作品では珍しいけど、内容的にはヌルい青春謳歌。ところが途中からは美夏編でラストは美夏の卒業式って、完全にヒロインを食った。小恋問題も放置で、朝倉姉妹にもスポットが当たらなかったなー。さくらさんのお守りはちっとも効果が無いし、学園長としてもたいしたことはしてくれなかった。
15,BLUE DROP -天使達の戯曲-,B
 転校生マリとミステリアスな萩乃の友情物語だが、過去の因縁とか絡んで異星人の宇宙戦艦バトルと学園生活〜学園祭が並列展開する妙な作品。登場キャラが何故か頻繁に顔を赤らめるのも本作の特徴。外野から見ているツバエル視点も面白かったです。異空間転移しながら攻撃する戦闘シーンも中々でしたが、特攻とあれから30年ラストには不満。ところで、萩乃が学校に通ってた理由は何だったんだ?
16,ef - a tale of memories.,A
 3話くらいまでは意味不明。みやこ/紘、千尋/蓮治の物語が交互に展開されて両方面白かったが、やはり千尋の記憶障害のインパクトが強い。リセットされた後はどうなるかと思った。引いたカメラワークでキャラの影や一部だけ映して会話が展開したりする映像も凝っていて、時にはモノクロだったり、屋上や海で青空、夕焼け、星空を眺めるシーンは美麗。OP/EDも作品にマッチしていました。優子/火村については最後まで謎だけど、こういう終わりも悪くないと思う。忘れたくない想い、ありますか?
17,レ・ミゼラブル 少女コゼット,C
 「レ・ミゼ」は文学。古典のアニメ化で全52話とボリュームもヘビー。コゼットをメインにしたので、ジャン・ヴァルジャン波乱の人生が本筋なのに銀の燭台エピソードが最終回まで語られなかったりする。長編なので話に山谷があるが、公園の散歩が日課になっていた辺りと、革命バリケード編はややダレ気味。序盤は重くて、虐待テナルディエ一家もだがファンティーヌの行動が空回りで頭悪いのは腹が立った。全編通じて、ジャヴェール:松山タカシの熱演は素晴らしかったと思います。
18,スケッチブック -full color's-,A
 『ひだまりスケッチ』ともテイストの違う、自然がいっぱい田舎風まったり美術部アニメ。ほとんど喋らない主人公:空が色んなものに触れては思うモノローグも独特の雰囲気を出しているが、デンジャラスだったり飛んでいる美術部メンバーも個性的で楽しい。虫憑き栗原先輩が好きだったなー。涼風コンビが部の先輩だったのは意外。サイドで展開してる猫社会も面白かった。毎回OPやEDで登場キャラが変わるのも凝っている。
23,最終試験くじら(NET配信),F
 録画視聴を前提としないネット番組なのに時限式の短時間限定配信とは、企画したヤツの頭は腐ってる。見てもらおうという気が全く感じられない。ついでに内容も薄い。
24,ひだまりスケッチ 特別編,A
 特別編。レギュラーシリーズと変わらぬノリを楽しく見れました。OPが二番歌詞になって、絵がマイナーチェンジしてたり、劇中劇の「ラブリーショコラ」が見れたりするのもファンにはウレシイ。プール水着話を持ってくるのは、にくい演出だ。きっと見に来てくださいね。
25,ああっ女神さまっ 闘う翼,D
 特別編。VS天使食いのバトルメイン作品としてはまあまあだが駆け足過ぎるので、付いていく視聴者の気持ちより先に展開でヤマ場が来る感じ。もっと時間を掛けてやれば良くなったと思う。ほとんどリンドが主役で、キャラの出番にも差がありすぎるが、やはり設定や背景を知ってないと辛い。
26,ひぐらしのなく頃に解(全話放送),B
 バッドエンド連発で落ち着かない前作の解決編。梨花ちゃんが主役でループ世界の惨劇を回避しよう努力するが、中々思うようにならない部分は応援する目線で見ていました。でも、両親を救おうとしないのは、ちょっと引っかかるかな、かな。あうあう羽入が転校して来たり、大石、赤坂や葛西大活躍とかで、ちょっと他のキャラの見せ場は減った。鷹野がただの悪人でなく、辛い過去を背負い信念を持って行動しているのも興味深いし、手強くて魅力的な敵として描かれていたと思う。前の世界で解決した問題や思いが次の世界に反映されていくのも面白い。予告が(放送では)割愛されたのは不満なのですよ。