『あさっての方向。』(第12話)【最終回】

OP前の台詞とカットが椒子/からだ(子供/大人)で入れ替わっているのが凝っている。からだを迎えに行く尋&椒子、「俺はもう逃げない」「子供の頃に戻りたいと願った」と自分自身の整理がついたようだ。展望台での椒子/からだ、尋/からだ、防波堤での尋/網野、駅での網野/からだ、椒子/琴美など2人ずつの告白・会話劇がそれぞれ面白い作りだった。磯貝先生や椒子と話したとはいえ、思いを消化しきれてなかった網野と尋が前回から変わり過ぎな気もしたがまあ良いでしょう。「これからも妹でいていいですか」「これからも兄でいさせて下さい」。叶町で元の生活に戻る面々だったが、椒子さんに見送られ父の元に帰る琴美の置き土産は願い石。「お父さんの言うとおりだった」って、父が何者なのか余韻を残した感じ。拳を握っていた時点で琴美ちゃんが持っているのは何となく読めたが、エピローグであっさり元通りになりましたねー。戻れないまま、尋/椒子/からだで遠くへ旅立つ原作のバッドエンドっぷりとはエライ違いだ。まずまずの最終回だったと思います。
引きずる思いを持つワケあり人間関係に、願い石というアイテムの味付けでファンタジーも含む雰囲気のある作品。登場人物の内面描写が丁寧で、モノクロで挿入される過去エピソードも上手く現在の状況に絡む作り。何気ない物が伏線になっていたり、台詞以外の仕草や表情で気持ちが分かるのも良く出来ていた。メインの椒子/からだは、素直で好感が持てる良いキャラでした。舞台と空気を変える目的もあったんだろうけど、からだが一人で出て行った辺りからはちょっと強引な気もしましたが面白かったです。