表紙で買ったワケじゃない

 「オトナアニメ」vol.1購入。別に『涼宮ハルヒの憂鬱』特集に惑わされたのではなく、中身を見て面白かったし石田敦子ファンだし、何となくすぐに無くなりそうな本だと思ったのが購入動機。ほとんど放送中の作品を扱ってないので雑誌というよりムックに近い(そこそこ値段もする)。切り口としては「アニメ批評」(数号で廃刊になったのかなー)なんかに近いように思う。


 『ハルヒ』特集については、データ・情報的なものではネット記事の方が早いし勝っている部分も多いので、さほど目新しくはなかった。では、出版物が勝っているのはどこかというと、製作・出演者のコメント記事だろう(『ハルヒ』以外のコメント記事も全般的に興味深い)。こういうのは個人がフリーで書けるものではないので(ただし、雑誌やネットニュースから引用してる場合はある)、他雑誌も含めて出版媒体はこういうところに重点を置くべきなのかもしれません。


 それ以外では、『地獄少女』、『蟲師』、『闘牌伝説アカギ』など取り上げられることの少なめな良作をピックアップしているのは非常に良い。でも、そういう良作は3ヶ月に数本しか出て来ないので、このスタイルを続けるのは難しいかな(次号は10月刊行らしいので大丈夫?)。
 他にも、幾つか気になる部分はあります。例えば、『おねがいマイメロディ〜くるくるシャッフル!〜』の記事があるのは良いのだが、インタビュー受けるのが加藤夏希(主人公の姉:奏役)なところに事務所的、スポンサー的な思惑を感じる(気のせい?)。普通、ここは片岡あづさ(主人公)か佐久間レイ(真・主人公)だろう。
又、ライター対談があるのだが、『エウレカ』が不発とかずばり言っている点には共感が持てました。広告主が付いている出版媒体って、制約が多すぎて自由な意見がないことが多いからなー。でも、対談以外のところで「あのね」をネタに使っている記事があったのだが、それ以上踏み込んでいないのは残念。あと、対談で一方の人が『吉永さん家のガーゴイル』を見ていないようだったので、もう少し頑張って欲しい。販売する出版物に載せる以上、現在放送している全てのアニメを見たくらい のすごい人の意見が聞きたいのが心情だ。少なくとも一般視聴者である自分よりは見て欲しいですね(週50本以上ってことですけど)。
 次号も『ハルヒ』特集をするらしいが、(3ヶ月前の)旬を過ぎたネタに新しいもの好きな読者が付いてくるかは予想できません。『N・H・Kにようこそ!』を次にくる作品だと予想しているような この雑誌(ムック)の将来はどうなのかしら。色々と文句も言ってますが、内容は面白かったです。また、『オトナアニメVol.2』企画募集もされているようです。無理だろうけど「『ガンダムSEED』シリーズへのダメ出し」とか「『GUN道』を極める」なんかやってくれたらイイナ。
オトナアニメ(オフィシャルブログ)
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